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伝わる自分史の作り方(13) 『故人の自分史について』

故人の自分史イメージ画像

故人の自分史について書きます。私はプロの編集者、ライターとして『親物語』という自分史作成サービスをお仕事のひとつとして行っていますが、その中でも故人の自分史を代わりに作ってあげたいというご依頼をいただくケースがあります。そのことを踏まえつつ、故人の自分史を作る際のノウハウをまとめてみたいと思います。

 

1〜2年後ぐらいに作れればベストかな・・

まず言いたいのは、故人の自分史を作るにはタイミングがあるということ。あまりに早すぎると(自分史を作る側の)傷が癒えていないのでツラい作業になってしまいますし、遅すぎると情報を集めにくくなっくる・・と考えると、故人がお亡くなりになって1〜2年後ぐらいが作る頃合いじゃないかなと思います。

 

ちなみに私の父親は、私が23歳の時に50歳の若さで亡くなりました。すでに30年近くの時が過ぎているので(私は52歳になりました^^;)、記憶も曖昧になっているところが多いですし、故人を知る人も減ってしまって、集められる情報も限られています。何年か前に父親の自分史を作ろうと思ったのですが、難しさが先に立って実現に至っていません。

 

繰り返しになりますが、故人の自分史を作るタイミングとしては、その人がお亡くなりになってから、自分史を作ろうとしている人の傷が癒えるのを待って、できるだけ早めに作るのがベストだと思います。

 

故人の自分史は誰のために作るのか

故人の自分史を代わりに作りたいと考える人は、極めてその故人と近しい関係にあると思います。故人の配偶者だったり、子供だったり、兄弟だったり、親友だったり・・ここで考えて欲しいのは、誰のために、何のためにその自分史を作るのかということです。「まだ小さい孫に故人のことを伝えたい」とか、「不特定多数のより多くの人に故人のことを知ってもらいたい」とか、「親兄弟だけでも故人のことを忘れずいるため」とか、「私が故人のことを忘れないために」とか、考えることはそれぞれに違うと思います。自分のためだけに故人の自分史を作るという人を除くと、その自分史を「伝わる自分史」に仕上げる必要があるでしょう。そのためにどうしたらいいのかは・・こちらのブログで「伝わる自分史の作り方」をテーマに12本ほど記事を書いているので、よかったら参考にしてくださいませ。

 

素材を集めて、取材を重ねて

故人の自分史を作ろうとする場合、多くの場合は特に締め切りはありません。ですので、じっくりと時間をかけて、より良いものを作っていただければと思います。私のようにプロとしてお仕事をしていると、ほとんどの場合、締め切りは設定されています。ですので、好きなだけ時間をかけられるという環境が、ちょっと羨ましいなと思ってしまいます。

 

まずは故人の自分年表を作ることをおすすめします。いつどこで生まれて、兄弟は何人で、誰と結婚して・・そういう節目の時だけでいいので、自分年表としてまとめてみてください。

 

次は素材集めです。これは主に写真や動画になります。可能なら「自分年表」にまとめた内容とリンクした素材が集められるとベストです。

 

その次は取材です。取材と言っても大げさなものではなくて、故人のことを知っている人に思い出話を聞くだけでOKです。あなたの知らなかった故人の姿が多少は見えてくるはずです。

 

こうして素材が揃ったら、いよいよ自分史としてまとめていきます。昔ながらのスタイルで本の形にまとめてもいいし、ブログに書くのもいいでしょう。YouTubeを使って動画にまとめるという手もあります。どんな形をしていても、それが「自分史」であることに違いはありません。ぜひ実現してくださいね^^