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伝わる自分史の作り方(2) 『自分史のアウトラインをはじめに』

自分史のアウトライン

伝わる自分史を作る上で大切なことは、まずはじめにアウトライン(あらすじや概要のことです)を把握することです。「木を見て森を見ず」という諺(ことわざ)がありますが、そうならないことが大切です。全体を見てから、細部に手を入れていく・・これが基本になります。そうしないと往々にして一部が肥大化された伝わりにくい自分史になってしまいます。自分の中では9割ほどの比重を占めていたと思われていた出来事が、客観的に見て見れば6割ほどの比重だった・・などという思い違いはよく起こります。

 

自分年表を作ろう!

自分の人生を客観的に見たい時に有効なことは、自分自身の年表を作ることです。そこに書くべきことは、一般的な節目(どこで生まれた、いつ結婚した、など)と、自分のターニングポイントになったと感じること(個人的なことで構いません。愛犬の死とか、影響を受けた人との出会いとか・・)を、紙やワープロなどで書き記していきます。

 

細かく書くことは後回しにして、出来るだけ簡潔に書きます。例えば出生について書くなら

 

○〇年○○月○○日 〇〇県〇〇市に生まれる。

 

といった具合です。「いつ、どこで、何があった」だけ充分です。〇〇を生業とする両親の元に〇〇人兄弟の長男として・・とか、雪の降る朝に難産の末・・とか、細かいことは後回しにします。目的はアウトラインを把握することなので、色々と思い出してきて書き記したい気持ちが沸き起こるかもしれませんが、グッとこらえて、粛々と作業を進めましょう。

 

アウトラインを10年刻みで

アウトラインを書き記す上で、10年刻みで分けて書くと全体が見えやすくなります。「0歳〜10歳」「11歳〜20歳」「21歳〜30歳」「31歳〜40歳」「41歳〜50歳」「51歳〜60歳」「61歳〜70歳」「71歳〜80歳」といった具合です。これによって何が分かるかというと、年代別のあなたの人生の密度が分かります。「結婚してからの10年が本当に充実していたんだなー」とか、「あの時、転職してから人生が大きく変わったんだなー」とか、「30代は仕事に打ち込んでいたけど、それ以外は何も無かったんだなー」とか、色々と見えてくるはずです。人によっては「この10年間は何も書くことが無いや・・」といったことが起こるかもしれません。でもそれはそれで紛れもないあなたの人生です。事実として受け止めて、書き進めて行きましょう。

 

年表に書き記しておくべき事柄

以下に、年表に書き記しておくべき事柄を箇条書きでまとめておきます。先に書きましたが「いつ、どこで、何をした」だけを書き記していきましょう。

 

・出生のこと(いつ、どこで、生まれたか)

・学校のこと(入学、卒業、中退)

・引っ越しのこと

・お仕事のこと(入社、退社、独立)

・結婚のこと(入籍、離婚)

・子供や孫のこと(子供や孫の誕生など節目の出来事)

・病気や事故のこと(大病、手術、長期入院)

・災難のこと(火事、盗難、地震、洪水)

・家族との死別

・節目の年齢(米寿など)

 

[そのほか、あなたにとって人生の節目を感じる事柄]

・親しい人との出会いと別れ

・趣味との出会い

・感銘を受けた作品との出会い(本、映画、音楽など)

・影響を受けた世の中の出来事(戦争、地震、疫病の流行など)

・その他、人生の節目を感じる事柄を自由に!