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伝わる自分史の作り方(5) 『親兄弟のこと』

親兄弟のことイメージ

『伝わる自分史の作り方』も今回で5回目です。今回は『親兄弟のこと』について、具体的な書き方を交えながら、お話していきます。

 

両親の職業から家庭環境を想像させて

両親との最初の接点はあなたが誕生した時です。その時の両親のことを職業を交えて簡潔に書いてみましょう。

 

(例、私の場合^^)

私は地方公務員として茨城県庁に務める父・敏夫、美容師として働く母・早苗とのあいだに長男として生まれた。

 

ご両親の職業を書くと家庭環境が想像しやすいと思います。「父親が公務員ってことは生活は安定してたんだろうな」「共働きなので両親と過ごす時間は少なかったのかな」「母親が美容師ってことはお洒落なお母さんだったのかな」・・これだけの文章でもいろいろと想像できると思います。「伝わる」というテーマからはちょっとそれますが、そういう書き方が文章の奥深さにつながっていきますので、文章作成のスキルを上げたい人は意識するといいかもです。

 

兄弟についてですが、ここでは「長男として生まれる」としか書いていません。これでは何人兄弟なのか、兄弟とはいくつ離れているのか、お姉さんはいたのかなどが分かりません。それらについては早いタイミングで書いておくと良いでしょう。

 

(例、またまた私の場合^^)

ふたり兄妹だった私には4つ下の妹がいた。小さい頃は妹と一緒に遊ぶことが多く・・

 

自分のことは誰も知らないという謙虚さを

自分史を書いている人の中には「自分は長男である」と記述してから兄弟のことには一切触れず、しばらくしてから「妹の結婚式へ参加するために上京した私は・・」などと書き出して、「あっ!この人、妹いたんだ」と読者を混乱させてしまう書き方をする人がいるので注意しましょう。自分のことは誰も知らないんだ、という謙虚なスタンスが大事です。

 

書くべきボリュームは関係の深さで変わる

親や兄弟のことはどれぐらい書くのが正解なのか・・答は人によって様々です。例えば「両親が早くに離婚して、シングルマザーの母親がひとりで私を育ててくれた」なんていう人は父親との記憶はほとんどないでしょう。こういう場合は父親のことは書きようもありませんし、長く書く必要もありません。

 

親兄弟とひとくちに言っても、関わりが濃い人もいれば薄い人もいます。あくまでもあなたの自分史です。関わりが薄い部分はサラッと短く、逆に濃厚な関係を築いてきた人は、ボリュームをとって長く書いて然るべきです。