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伝わる自分史の作り方(8) 『結婚のこと』

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8回目の『伝わる自分史の作り方』は『結婚のこと』について。人生のターニングポイントであることは間違いないと思いますが、書きたくない(思い出したくもない)ことであった場合どうしたらいいのかを含めて、書くべきポイントはどこにあるのかをまとめてみます。

 

思い出したくない結婚の場合

結婚=幸せと思われがちですが、そうではない場合も多々あります。私が書いている記事のテーマは『伝わる自分史の作り方』なので、理想を言えば「思い出したくもない」「書くのはためらわれる」ことだったとしても、あなたの人生に影響を与えた重要度に応じてボリュームを割くのが理想の書き方でしょう。でも、思い出すことでパニック障害を引き起こしてしまうなどの深刻な状態の場合、ボリュームは割かずに最低限の要点だけを書かれることをおすすめします。

 

(おすすめの書き方)昭和〇〇年、私が25歳の時、知人をとおして知り合った元夫と結婚。元夫と書いたのは結婚生活は5年ほどしか続かなかったからだ。離婚の原因はDV。このことは思い出すとつらくなるので割愛させていただく。無事離婚が成立したのは平成2年。ここから私はひとり息子を抱えてシングルマザーの道を歩むことになる。

 

5年間を数行で書いてしまっていますが、これだけでも書いてあれば、その間にあなたに何があったのか、読んだ人は想像できるでしょう。

 

(伝わらない書き方)25歳で結婚してから5年後に離婚。平成2年から息子と2人三脚、シングルマザーとして歩んできた私だが、なぜそうなったかは割愛させていただく。

 

これではいくらなんでも端折り過ぎです。離婚の原因がまったく分からないので、読んでいる人があなたに感情移入できません。『伝わる自分史』を書きたいのであれば、読んでいる人の視点に立って、「最低限これは知りたいだろうな」という点は抑えるようにしてください。

 

幸せな結婚の場合

ふたりの馴れ初めから始まり、その都度ふたりの思い出があるでしょう。支えてくれた言葉、背中を押してくれた言葉があったかもしれません。悲しい別れがあったかもしれません。印象に残ったことをその都度書くのもありだし、ボリュウムが出そうなら、まとめて書いてもよいでしょう。

 

(例)40歳を過ぎて独立を考えていた私だったが、あと一歩を踏み出せずにいた。そんな私の背中を押してくれたのは妻の何気ないひとことだった。

 

これだけでも、この夫婦は信頼しあっていたんだなー、ということが伝わってくると思います。あなたの人生のターニングポイントに夫(あるいは妻)が登場した時、その関係性は良好だったんだろうなと、読んでいる人には伝わると思います。

 

感謝の気持ちを言葉にして

一方で際立ったエピソードもなく、長年連れあっているという関係もあります。あなたのことを影で支えて、あなたの決断を尊重し、当たり前のようにそばにいる関係。その場合は少しだけページを割いて、相手に感謝の気持ちを伝えていただきたいです。いくら心の中で思っていても、伝わらないことがあると思うので。

 

(例)ここで少し妻のことを書いてみたいと思う。見合い結婚で一緒になった私たちは、大きな喧嘩をすることもなく平穏な日々を過ごしてきた。私が40代で転職した時も、笑顔で受け入れてくれたそんな妻だった。そんな妻の支えがあったからこそ私は、自分が思ったとおりの人生を歩むことができた。面と向かって言ったことはないが、妻へは感謝の気持ちしかない。

 

この文章を「妻」が読んだ時、きっとうれしいと思うんです。こちらのご夫婦は、お互いを信頼しあってきた仲だと思いますが、このように感謝の気持ちをきちんと言葉にして伝えることは、本当に大切なことだと思います。