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自分史とエンディングノートの違い

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自分史とエンディングノートの違いについて考えてみました。結論から言うと、自分史は「自分」と「自分以外の人」のためにあります。エンディングノートは「自分以外の人」と「自分」のためにあります。あれ?同じものに見えますが・・なんて言うか、それぞれの割合と目的、書くべき内容に違いがあると思っていただければ・・このふたつは、似て非なるものと捉えていただいて間違いないでしょう。もしかしたら、はなから似ているとは思っていない、という人も多いのかもしれませんが。

 

エンディングノートについて

エンディングノートは家族や大切な人に向けて、自分にもしものこと(死んじゃったり、再起不能になったりすること)があった時のために、自分の情報を一冊にまとめたノートのことです。誰のために書くのかと言うと、自分以外の人のため9割、自分のため1割といったところでしょう。1割というのは自分自身の安心のためにも書いているでしょう?という意味です。

 

書くべき内容、目的は明確で、自分にもしものことがあった時、残された人が困らないようにするための情報を書きます。預金通帳はどこにあって、印鑑はここで、連絡して欲しい人は誰と誰で、といった事務的なことから、医療や介護、葬儀についての希望などを書きます。残された人への感謝の気持ちなども書き加える人が多いようです。

 

エンディングノートの書き方を学ぶこと

エンディングノートの書き方ですが、もっとも手軽に学ぶ方法は市販のエンディングノートを購入することです。アマゾンなどをチェックすれば、書き方のノウハウまで丁寧に書かれた何百というエンディングノートが販売されているので、それを活用すればいいのです。

 

もちろん、セミナーや勉強会などに参加して学ぶ方法もあります。

 

遺言書があればこと足りるエンディングノート

遺産相続で特に希望があるなど、法の力を借りる必要がある場合、弁護士を介して残しておくエンディングノートが『遺言書』です。『遺言書』の中に(その本体とは別に)残すメッセージを法律用語で『付言(ふげん)』と言いますが、こちらを含めて考えると、『遺言書』だけで、エンディングノートの役割は足りてしまいます。ちなみに『付言』の中には、『遺言書』には入りきれない遺言者の想いや感謝の言葉などを残します。ですので『遺言書』の作成を考えている人は、それとは別にエンディングノートを作る必要はまったくありません。すでに『遺言書』を作ってしまった人で、伝え忘れたことがあったという人が、別にエンディングノートを作るケースは考えられそうですが・・。

 

自分史について

一方の自分史は、誰のために書くかというと、自分のため7割、残された人のため3割・・といったところでしょうか。この割合は人によって大きく変わります。極端な場合、自分のため10割という人もいるかもしれません。目的は人それぞれだし、決まったルールが存在しないのが自分史です。

 

自分史を作るメリットとは?

以上を踏まえた上で言います。私は自分史を作成することで、自分にも、残された人にも、たくさんのメリットがあると考えています。私が考える自分史を作るメリットを簡単にまとめると・・

 

(自分のメリット)

・ほっこりとした気持ちになる

・お世話になった人たちへの感謝の気持ちが湧いてくる

・明日への活力につながる

 

(残された人のメリット)

・お葬式などで故人を偲ぶツールとして活用できる

・故人のことを忘れずにいられる

・故人のことを知ることができる

 

伝わる自分史をおすすめする理由

いくつかのメリット、特に残された人のメリットのためには、作成した自分史が『伝わる自分史』でなければならないだろうと強く感じています。たくさんの功績を残したいわゆる「偉人」と呼ばれる人の自分史は、ほとんどの場合プロの文筆家が書いているので、間違いなく『伝わる自分史』になっています。

 

一方で、文章のプロでもない自分自身で書いた自分史は、どうしても独りよがりになりがちです。テクニックやノウハウも持ち合わせていないので『伝わる自分史』に成り得えていないというのが現実でしょう。

 

皆さんが『伝わる自分史』を作りたいと考えてくれた時に、少しでもその理想に近づいて欲しくて、私なりに考えた精一杯のノウハウをこちらに書き続けています。少しでも活用していただければ幸いです!